TECHNOLOGY

VSGのスポーツブラは筑波大学との共同研究*を実施し、
バストの構造や運動中の動き、ブラ着用後の状態、
動作中の生地の動きなどを解析しました。
研究結果を基に、弊社の研究開発チームで構造や素材の見直し改良を行い、
「細部まで女性の運動をサポートすること」を目的に開発、製品化しました。

*共同研究:研究代表者 体育系 片岡千恵 准教授

実際のスポーツ現場を
見据えた動作に着目

着用時のシルエット、
バストの収まり方に着目

着用時の生地の伸縮性、
動きに着目

研究開発の取り組み

様々なスポーツで活躍するアスリートのバストの動きを三次元動作解析システムで解析し、バストの揺れが最も抑えられ、不快感が最も少ないフロントクロス構造の効果を検証しました。3Dスキャンで全身の身体情報を数値化、ブラ着用中のバストの形状変化も明らかにし、従来のスポーツブラでは優先されてこなかった、着用中のバストのシルエットにもこだわりました。更に高いサポート力を追求するために、変形解析システムを用いてブラの生地自体の動きや伸縮の解析も行っています。

バストの揺れに関する研究

女性のバストの揺れに関する研究はランニング動作に焦点を当てたものが多いですが、私たちはアスリートが遭遇しそうな動きにも着目、特に横の切り返し動作中のバストの動きも明らかにしました。全身の47箇所、バストには左右計14箇所の印をつけ、ランニングや切り返し動作での動きと合わせて、バストがどのように揺れているかを解析しました。運動中ブラを着けていない状態(無着衣)だとバストは平均3㎝の上下運動をしており、フロントクロス構造(下クロス)のブラを着けると揺れは最大約50%減少するという効果が立証されました。

生地のひずみを分析

運動中のバストは特に上下方向の揺れが強く、この揺れを抑えることが不快感を和らげることにつながると考えられています。そのためにはブラには適切な位置に適切なサポートが備わっている必要があります。変形解析システムを用いて運動中のブラの伸び縮みを観測したところ、接地のタイミングでバスト上部の肩紐との切り替えから脇にかけての生地に大きく負荷がかかっていることが分かりました。そこで負荷がかかる部分に補正下着などにも使われる強化パーツを入れ込みました。

バストの収まり方に着目

バストは筋肉や骨格による支えがなく、主に脂肪組織で構成されているため、ブラの構造により形が大きく変化します。3Dスキャナを使用し、異なる構造を持つブラや無着衣の状態といった4条件でのバストの形を比較したところ、フロントクロス構造によりバストが上がり、内側に引き寄せられる効果が観測されました。運動中のバストの揺れを軽減するだけでなく、バストの形を整える効果もあることが示唆されています。

研究対象者 : 健常成人女性 16名 (20~34歳 平均 24.38 ± 3.62) 実験試技:トレッドミルランニング(7km/h)、3Dモーションキャプチャ システム(VICON)を用いて、下記の4条件で測定 ※実験条件:①無着衣 ②従来のスポーツブラ(自社製品) ③フロントクロス構造(上クロスタイプ) ④フロント クロス構造(下クロスタイプ) の4条件で測定 ※フロントクロス構造: 乳房を前方で対角方向にサポートする独自構造でハイサポートタイプに分類 されるスポーツブラを指します。 表示している結果は ④下クロスタイプ(本製品) となります。